「ホテルウィングインターナショナル」などを国内に37施設展開する「株式会社ミナシア」。
お客様にベネフィットを提供しやすいシステムを追い求め、トリプラと方向性の合致を感じ「triplaホテルブッキング」を導入いただいた同社に、導入のポイント・効果と今後の展望について伺いました。
2020年8月に予約エンジンをトリプラに切り替え、会員数、自社HP予約ともに増えている実感があります。新型コロナウィルスの影響を受け全体の売上は減少している中で、GoToトラベルキャンペーンの販売を始めました。そのため、単純に去年とは比較できない状況です。
しかし、自社HP予約数は確実に増えています。予約エンジン切り替え後、2ヵ月弱で昨年の自社HP予約数を上回りました。全施設平均CVRが10月は昨対1.52倍、11月は昨対1.56倍でした。予約件数ベースでも11月は昨年に比べて約3000件以上増えています。
CVRが7%台の施設も数店舗あります。※一般的な予約エンジンのCVRは1%程度
そして、自社HP比率は上がっています。「自社」には企業(法人)も含まれるため、自社HP比率がそもそも高かったというのはありますが。
都心部はインバウンドでOTAが高く、地方に行くと自社HP比率が高いホテルが多かったため、このような状況下でも全社を満遍なく見るとそこまで落ち切らなかったと言えます。実際に、昨対でCVRが上がっている施設は地方に多く、もともとのリピーター顧客が多いところですね。顧客との関係性が深ければ深いほど、自社HP比率が高いということが改めて分かりました。
「triplaホテルブッキング」が、GoToトラベルキャンペーンの予約に使えるエンジンであったことは非常に大きいと思っています。
トリプラの「クーポン機能」を活用することで、公式HPでGoTo販売が可能です。お客様の混乱や離脱が起こりにくく、コンバージョン向上に寄与したのではないかと考えます。
地域のお客様と深い関係性を築いてきたこれまでの取り組みと、システム面の改善があって、そこまで落ち切らなかったのだと思います。しばらくはそういった取り組みを繰り返しながらやっていくことになりますね。
左:セールス&マーケティング部 PR・マーケティング課 係長 青木様
自社HPを訪れる人が一定数いますので、コンテンツを拡充したり、予約導線を改善したりして自社HP予約の比率をさらに上げたいという課題がありました。
「このシステムは果たしてお客様にとってスピード含めて予約しやすいシステムなのか?」その要素は、いろいろありますが、ステップの簡素化と見せ方だと考えました。
トリプラであれば、エンジンの予約ステップが簡素化される。さらに他URLでの画面が立ち上がることなく予約画面へと遷移、速度も速いことがデモですぐにわかりました。そして、各プランの画面に通常料金よりお得な「会員価格」を出すことができる。ここにコンバージョンのしやすさを感じたことが導入の決め手の一つです。
右:セールス&マーケティング部 部長 杉山様
コンバージョンとは異なる観点で、メンバーシッププログラムの統合と総合的なCRMの構想がありました。
現在ホテルウィングには、自社HP予約の会員とリライト式ポイントカードの会員が存在し、メンバーシッププログラムが複数ある状態です。
会員様にお得にご宿泊いただけるポイントプログラムをPMS、BW、CRMのどこに持たせるかが課題で、色々なものが繋がりやすいシステムはないかを探していました。
当初は、予約エンジン以外で自社に誘導できないかと考えていましたが、トリプラの予約エンジンの構想を聞くうちに弊社が「やってみたいこととやらなきゃいけないこと」と合致していると思いました。自社ブランドの露出と囲い込みを強化、CRMとエンジンとの親和性や将来的な統合を考え、トリプラを選びました。それとカード決済手数料の安さもポイントですね。
トリプラに「こういう機能がほしいとか、こんな構想は可能か?」と聞くと、「それはできます」とか「何月に実装予定です」というレスポンスがすごく早い。そして、追加開発に膨大な費用が掛からない。
他のエンジンは我々の希望する機能やユーザー目線の造りとなっていなかったためカスタマイズ開発だと、時間とコストがかかります。これまでホテル業界のエンジンそのものがずっと変わっていなかったのは、紛れもない事実です。
デジタルマーケティングの最先端ともいえるEコマースのやり方とホテルの希望するオペレーションがもっと合致すればいいなという部分はありますが、エンジンのつくりや見栄えはこれまでのホテル業界になかったものだと思っています。我々がお支払いしている手数料のなかでトリプラが新機能開発を行うことは、他社ホテルも含めて業界全体のメリット享受になると思います。
新規開発には追加費用を払うものだという慣例と、HP運用の月額コストは抑えられるべきという慣例がありました。そうじゃないと手数料を多く払うOTAと一緒になりますから。しかし、自社にリピートしてくださるお客様がついていれば、マーケット全体の分母が落ちてもそれほど収益は落ちないのではないか。実際にコロナ禍で実感しているので、トリプラのシステムも活用しながらリピーター獲得に今後も取り組んでいきたいと考えています。
予約エンジンの使いやすさと価格訴求で、PV数とコンバージョンを高めていきます。まずHPまで来てもらえるようにというところで、様々な宿泊予約サイトの販売料金を横断的に検索・表示できるメタサーチに自社(Google Hotel Ads連携)の活用を視野に入れています。今後、「ホテルウィング」の名を広く届け、さらなる認知拡大を図りたいと考えています。
そして、エンジンと親和性の高いCRMを確立すること。総合的に考えた中の一つにポイントプログラムを位置づけ、自社HPだけではなくやはりOTAもいるので、リピーターを複合的に顧客管理してそれぞれに応じたロイヤリティプログラムを進めようとしています。これにより、すべてのお客様に応じたメリットを提供し、長く愛されるホテルにしたいと考えています。
他にも、まだまだ使えていない機能もありそうだなと感じています。クーポンコードやシークレット機能なども、GoTo終了後、独自のプロモーションに使えそうなので活用していきたいですね。
約30年の歴史を持つホテルウィングは、もともと都心部ではないエリアから先に展開を始めました。地元の食をPRする「地域密着型」の「食泊」ホテルとしてスタートしています。地域によっては、中長期で工事関係の仕事をされているお客様やルートセールスの拠点として連泊されるお客様が多い施設もありました。そのような地域では、今でもお客様がお土産を買ってきてくださることもあるようで、地域に密着し、家族のような関係性を築いてきました。
その後、2015年頃からインバウンドの増加等、時代のニーズに合わせて都心部への出店が加速しました。新しい施設はモダンなデザインが多いですが、地域性というキーワードはやはり大切にしています。例えば、「ホテルウィングインターナショナルプレミアム金沢駅前」は、金沢駅のシンボル「鼓門」を設計した建築家にデザインを監修いただきました。ホテルウィングの特徴の一つは、こうした地域密着性やその結果の多様性に表れていると考えています。
ホテルウィングインターナショナルセレクト東大阪 ロビー。
”ネジ”をモチーフに採用したデザインのテーマは、“ラグビーのまち”“ものづくりのまち”。
ホテルウィングインターナショナルプレミアム金沢駅前 プレミアム和洋室ツイン
インタビューにご協力ありがとうございました。