樹ホテルズジャパン株式会社様

伝統とモダンを融合した大分県由布院の温泉旅館「由布院別邸 樹」を運営する樹ホテルズジャパン株式会社。2021年3月には、同地由布院に「梅園」「東匠庵」二つの旅館を承継・リニューアルオープンします。
2017年頃にインバウンドの受け入れを検討する中で、「サービス向上が見込める」と感じ「triplaチャットボット」を導入いただきました。「大きなホテルだけでなく、小さな旅館こそ早期導入を」と仰る代表取締役 前田様に、トリプラご活用の成果や感想を伺いました。

 

 


 

 

 

 

 

 

 

樹ホテルズジャパン株式会社

 

代表取締役 前田 洋様

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

Q:「triplaチャットボット」導入の経緯と成果をお聞かせください。

 

―チャットボット導入と海外売上が連動しています

 

 

「triplaチャットボット」の運用開始に伴い、インバウンドの売上とシェアが急激に高まっていったという実感があります。
当時は、インバウンド観光客の予約は多言語対応の問題があり海外OTA経由で承っていましたが、その海外OTAのシェアが上がってくるタイミングと多言語AIチャットボットを導入したタイミングが見事に重なっていたんですね。これはチャットボットの導入の成果でもあると考えています。
もちろん日本全体のインバウンド観光客数が増えていった背景もありますが、実際には、予約が増えたという事よりも、予約後のキャンセル率が大きく減ったという方が正しいと思います。
多くの旅館で起こっている事ですが、インバウンド予約は、予約数も多いですが、キャンセルも多く発生します。チャットボットの導入は、インバウンド観光客の予約から館内情報など、一連の不安解消につながっており、結果的にキャンセル率が下がり、リードタイムの長いインバウンド観光客の宿泊成約率の歩留まりが上がったとみられます。
お客様が分かる言語で即時に問題解決できると、やはり信頼感が生まれるのだと思います。

 

 

 

 

 

―顧客サービス向上のため「小さな旅館こそ早期に導入を」

 

小規模のホテル・旅館さんが自分たちだけで、インバウンド観光客との十分なコミュニケーションを図ろうと考えれば、やはり、このシステムを入れることがお客様に対しての一番のサービスだと思います。
チャットボットを使い始めた2017年当時の課題はインバウンド観光客との予約対応でした。日々メールボックスに届く大量のお問合せを、長時間かけて返信しておりましたが、AIチャットボットの導入により、即時、且つ自動で回答できるようになりました。しかも24時間、相手に合わせた言語でお問い合わせ対応を代わってくれる即時性のあるシステムとして大変効果的だと感じています。

どれだけ従業員教育をしたとしても多言語教育は難しく、一方、多言語を使える海外人材を採用したとしても、フロント業務ができるまで旅館のオペレーションを把握してもらうには時間が掛かります。
しかも昼夜を問わず24時間対応できるというのは小規模施設ではあり得ないため、そこはAIチャットボットが最も活躍できるところだと思います。
採用が難しい多言語スタッフを24時間配置するのと同じ機能が生まれているとも言えます。
コスト面からみても、多言語対応ができる人材を24時間配置するとなると在籍人数としては、4-5人は必要です。その人材の採用育成のコストを考えると、AIチャットボットはその1/10程度で済むのではないでしょうか。

また、チャットボットは労力削減の側面で考えられがちですが、私は「顧客サービス」だと捉えています。
お問合せを頂くお客様の電話代のみならず、それにかかる時間もお客様の大切な資産です。スピーディな対応により、不安や不便を解消できる事から、お客様の貴重な資源を損なわないという点で、サービスレベルが上がります。しかも会話履歴も残ります。

当社を含め、多くの小規模施設が直面する人材不足は、今後の人口減少時代において抜本的な改善が見込めない中、こうしたAIチャットボットのような先進的な情報技術は、お客様へのサービス品質の向上、不安や不便を解消するという意味でもとても重要な顧客サービスと考えています。

 

 

 

 

―トリプラのトレーニングにより、自施設に特化した回答をAIが吸収

 

導入後、回答内容についてトリプラの日本語担当オペレーターから電話がかかってくることがありました。それって逆に新しいなと感じました。チャットというデジタルな部分とアナログの融合点ですね。
確認の電話はまったく負担にはならず、それはむしろ良いことだと思っていました。お客様からのやや難解な問いに対して、チャットの裏側でオペレーターと連携し、旅館がこう考えているという内容を、オペレーターを経由して回答できるわけですから、むしろ安心感がありました。
時にはイレギュラーケースや説明しづらい部分もあります。それをある程度こちらの意図をオペレーターに伝え、そして多言語化してゲストに正確に伝えられるので、この体制は大事なアナログさだと思っています。

しかも、一度回答した内容はディープランニングで蓄積されるので、使えば使うほど精度が上がる。
チャットボットを導入したばかりの施設と、当社のように2年以上使っているところだと、その施設に特化した回答内容と深さが圧倒的に違ってきます。だからこそ、少しでも関心がある施設は、早めに「triplaチャットボット」を入れた方が良いと思っています。

 

 

 

 

 

―「宿泊予約連携」をはじめ、ホテル旅館が求めている新機能が続々と追加

 

「これからはAIとIoTで生産性を上げなければならない」という大きな課題を認識していた頃に、トリプラに出会いました。
当時、そこまで知名度の高くない、ベンチャー企業ではありましたが、だからこそ、大手ではできないことも、改修しながらやっていけるのではないか。特にクラウド型のAI、IOTは、工場機械や置き型の情報端末とは異なり、驚くようなスピードで随時バージョンアップや拡張・拡大でき、ベンチャーに向いているのではないかと思っていました。なので、トリプラで作り始めたばかりのシステムに乗っかってみるのはおもしろいなと思いました。

チャットボットに関して、トリプラは、最初から市場の課題やニーズがよく見えている印象があります。
トリプラにはよく「こういうことできる?」「こういうところって今後予定あるの?」と聞きましたが、その場ですぐに「今度導入検討します」「今後拡張予定です」と言って貰えた。
そして実際に、リリース初期の時点では付いていなかった「宿泊予約連携」の新機能が搭載されました。これはかなり大きなシステム改修だったと思います。
当初は、予約に関する質問の回答に関しては、予約先リンクを貼れるくらいでしたが、新機能によって、チャットボット自体が当社のサイトコントローラーと連携し、チャットボットの中でお客様が便利に予約出来るようになったのは大きいですね。
今では、宿泊予約システムも誕生して、相互にリンクし始めているので、これからもトリプラの新機能には期待しています。
※現在「triplaチャットボット」は、国内主要サイトコントローラー4社(TLリンカーン、ねっぱん、手間いらず、らく通with)と連携可能

 

 

 

 

 

 

Q:「triplaホテルブッキング」導入の経緯や成果をお聞かせください。

 

―コロナ禍であっても自社予約比率が1.19倍に向上

 

以前の予約システムと比較して、triplaホテルブッキング導入後は、直予約の比率が1.19倍になりました。
予約エンジンの利用を開始したのはコロナ真っ只中の2020年3月で、その直後に緊急事態宣言もあり新型コロナウイルスの影響で宿泊施設が最も打撃を受けた時期でした。
そのため海外OTAや国内OTAも合わせて分母となる宿泊予約件数自体は減っていましたが、その状況でもtriplaホテルブッキング経由で入る自社予約件数は落ちていません。それどころか、自社予約比率は向上しています。
先になるかもしれませんが、インバウンドも含め国内外の旅行者が戻ってきたときに、ますます効果を発揮してくれるのではないかと期待しています。

 

 

 

 

―言語の壁を超え、海外のお客様にも意図を伝えたかった

 

 

導入の理由としては、外国人の直予約比率が一定数確保できるのではないかと思ったのがまず一つですね。
私たちが自社HPに置く予約システムを外国人が使おうとすると、他社の予約システムですと日本語のみもしくは機械で強制的に翻訳されたテキストが出る場合が多いです。
それでは外国人は使いづらいし、こちらの意図も正確に伝わらない。
それを解消できるのは多言語対応されている海外OTAになるので、実は、多くの旅館はわざと海外予約を海外OTAに流す傾向があります。旅館側としても外国語対応は大変なので、海外OTAに誘導しているケースが多いです。また、当然その分、手数料も高くなります。

多言語対応の問題を解消する予約システムとして、トリプラは大変有用です。標準料金の中で、トリプラのネイティブスタッフにより英語・中国簡体字・中国繁体字・韓国語に翻訳された予約システムが使えます。
こちらの意図を外国人に正確にわかり易く伝えるといった意味で、これもつまりは顧客サービスだと考えていますね。

 

 

 

 

―トリプラの予約画面の魅力は、海外で主流なシンプルなUI

 

当社が考える今後の成長シナリオとして、グローバルに展開していくという大きな柱がありましたので、外国人にやさしいUIが必要だと考えてトリプラを選びました。
海外のお客様に予約しやすいと思っていただくためには、UI(ユーザーインターフェイス)、つまりお客様から見たときのシンプルな予約画面が重要になります。
傾向として国内OTAでは写真はもちろんですが、テキスト部分でのキャッチコピーやプラン説明の内容が大事とされていますが、一方で大手海外予約サイトでは写真が大きめ+整理された文言に必要最低限の商品説明という共通した特徴が見受けられます。
トリプラの予約画面を見たときに、まるで海外予約サイトのようにUIがとてもシンプルで、そこも既にインバンドマーケットに対して、最適化されていると感じました。

また、国内向けのプラン説明は抽象的な表現で説明を書く傾向があります。それが自動翻訳されたときに、海外のお客様から見た宿泊プランの殆どは訳がわからなくなってしまう。トリプラであれば、必要最低限の情報内容が多言語で整備される。
さらに、予約や検索画面に複雑なところはなく、これであれば国内外のお客様にとって使いやすい。かつ、宿の伝えたいことが、シンプルにきちんと多言語化されて伝わると思いました。

 

 

 

 

 

 

Q: 有効活用できている機能を教えてください。

 

―「未来の宿泊チケット」の開発スピードの速さには驚きました

 

コロナ始まってすぐに、お客様に前払いで購入いただける「未来の宿泊チケット」の販売機能が実装されましたが、その開発スピードには驚きました。
コロナの流行・緊急事態宣言に伴い、急激に当時資金繰りに行き詰りそうになっていた頃、このサービスが突然実装されるという連絡を受けました。「今はコロナで旅行は控えたいが、もし近い未来にコロナが落ち着いたら旅行に行きたい。しかも少しお得に。」というニーズと相まって、実際に多くのお客様が未来宿泊券を購入して頂けました。
施設側にとっても、事前購入型ですので、資金繰りの面からも、コロナ流行下の厳しい状況を助けて頂いたという気持ちがあります。
※その後、よりお客様にメリットの高いGoToキャンペーンが始まったため未来の宿泊チケットの販売は控えています。

また、未来の宿泊チケットの凄いところは、双方にとって手間がかからずに運用できることですね。従来から宿泊券の販売は行っておりましたが、従来型のアナログな宿泊券販売手法は、お客様にとっても宿にとっても手間が多くありました。お祝いや会社のゴルフ景品用途など、買っていただく場合もありましたが、チケットを作成し、郵送し、振込を確認し、空き状況を電話で確認するなど、相互に負担があったのではないかと。
そのプレゼント用途を、全てオンラインで解決していくシステムだったので非常に良いですね。
自分たちがお客様に対して事前に直販をする。更にその宿泊券を別の人に利用してもらうとか、プレゼントすることも可能です。GoTo以降、これが主戦場に戻ってくるのではないかと期待しています。
使っていておもしろいですし、今後も活用の仕方があるのではないかと思っています。

 

 

 

 

―「Google Hotel Ads」で自社をベストレートで露出したい

 

Googleホテル広告連携も、おもしろくてかつ重要な仕組みですね。
直予約を増やすために、他社よりも価格面やわかりやすいプラン紹介など良い感じでWeb上に露出していく必要があります。
トリプラは、OTAの価格比較のベストレート機能がついていますし、さらに今後GoToで35%割引後の料金も出せるようになってくるので、確実にベストレートが出せるようになると聞いています。
3月下旬開業予定の、当社グループ「由布院 東匠庵」では、自社販売を主要な柱の一つと考えておりますので、Google Hotel Adsも運用開始する予定で準備を進めています。

 

 

 

 

 

Q:今後の展望をお聞かせください。

 

 

triplaホテルブッキングのオプション機能を活用して別注料理などの販売を行っていきます。
客室での高級仕出し料理をプラン展開の一つとして行っている「由布院 梅園」では、オプション販売機能がより重要になっていきますね。
当社グループで3月リニューアルオープンの「由布院 梅園」では、提携している「仕出し屋わさび」さんの仕出し会席を1泊素泊まりプランのオプションで販売しています。コロナ流行下において、客室で楽しめる仕出し料理はニーズが高く、「東匠庵」でも提供していく予定ですので、triplaホテルブッキング上でオプション販売を組めるようにしていきます。

小規模・多施設を主軸とした当社のグループ展開において、AI・IT・IOTを主軸としたトリプラのサービスは、生産性の向上を図る上でマストになっていきます。
運営施設が増えたことで、今後は、グループ会員が需要になってきます。直予約が増えるのはとてもありがたいことなので、会員登録してもらってお客様との関係性を築いていきたいと考えています。

両サービスの親和性でいうと、CBの会員登録機能など最近さらに連携強化されている。
これまでも数々の新機能を実装してくれたトリプラに、今後も期待しています。

 

 

 

 

 

【 「由布院別邸 樹」のコンセプト・特徴】

 

由布岳の麓、くつろぎの離れ宿

 

雄大な由布岳の麓、由布院の街に、それぞれに趣向を凝らした13棟14部屋の離れ宿を構えています。地産池消にこだわり、旬の食材を使用した新しい由布院料理が堪能できるレストランも併設。ゆっくりと非日常をお楽しみいただけます。

また、樹ホテルズジャパンでは大分県由布院に複数の温泉旅館を展開。2021年3月には、名苑と名水の宿「梅園」がリニューアルオープンし、トリプラサービスを導入予定です。

 

「由布院別邸 樹」 客室露天風呂

 

 

 

 

 

「由布院別邸 樹」 客室

 

 

 

 

 

 

「由布院別邸 樹」の公式サイトを見る

 

 

インタビューにご協力いただきありがとうございました。