ホテルはどんな種類がある?それぞれの特徴や最新トレンドも紹介

旅行や出張でホテルを選ぶとき、種類が多すぎて迷ってしまうことはありませんか。シティホテルやビジネスホテル、リゾートホテルなど、さまざまな名前を聞くけれど、それぞれの違いがよくわからないという方も多いでしょう。

ホテルは立地や機能、サービスのレベルによって細かく分類されており、それぞれに特徴があります。目的に合わせて適切なホテルを選ぶことで、快適な滞在を実現できます。

この記事では、ホテルの基本的な種類から最新のトレンドまで、わかりやすく解説します。ビジネス利用から家族旅行まで、あなたのニーズに合ったホテル選びの参考にしてください。

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ホテルの基本的な分類方法と考え方

ホテルを分類する方法はいくつかあります。立地による分類、機能による分類、業態による分類など、さまざまな切り口から整理できます。

それぞれの分類方法を理解することで、ホテル選びがぐっとわかりやすくなります。まずは、どのような観点からホテルが分類されているのか、基本的な考え方を見ていきましょう。

立地による分類

ホテルの立地は、利用目的に大きく影響します。都市部のホテルは交通の便がよく、ビジネスや観光の拠点として便利です。一方、郊外や観光地のホテルは、ゆったりとした時間を過ごせる環境が整っています。

主な立地による分類には、駅の近くにある「駅前ホテル」、繁華街の中心にある「中心街ホテル」、空港の近くにある「空港ホテル」、そして観光地にある「リゾートホテル」などがあります。それぞれの立地には特有のメリットがあり、旅の目的に合わせて使い分けることが大切です。

機能による分類

ホテルは提供する機能によっても分類されます。ビジネス客向けの機能を充実させたホテルや、観光客向けのサービスに特化したホテルなど、それぞれ異なる特徴があります

大規模な会議や展示会に対応できる設備を備えた「会議・展示会向けホテル」や、出張などビジネス利用に特化した「ビジネスホテル」といった分類もあります。また、長期滞在型のレジデンスホテルや、空港利用者向けのトランジットホテルなども、機能による分類の一例です。

業態による分類

日本でよく使われる業態による分類では、シティホテル、ビジネスホテル、リゾートホテル、旅館などが代表的です。これらは宿泊施設の規模やサービス内容、料金体系などを総合的に表した分類方法です

近年では、ブティックホテルやライフスタイルホテルといった新しい業態も登場しています。これらは従来の枠組みにとらわれない、個性的なコンセプトを持ったホテルとして注目を集めています。

旅館業法による法的分類

日本では旅館業法によって、宿泊施設が法的に分類されています。現在は「旅館・ホテル営業」「簡易宿所営業」「下宿営業」の3つに分けられ、それぞれ設備や運営の基準が定められています。

旅館・ホテル営業は洋式・和式を問わず客室を備えた宿泊施設全般を対象とし、簡易宿所営業にはカプセルホテルやゲストハウスが含まれます。下宿営業は1か月以上の長期滞在を対象とするものです。

主要なホテルの種類と特徴

ここからは、日本でよく見かける主要なホテルの種類について、それぞれの特徴を詳しく見ていきます。各ホテルタイプには独自の魅力があり、利用シーンによって最適な選択が変わってきます。

料金やサービス内容、設備の充実度など、さまざまな観点から比較しながら、自分に合ったホテル選びの参考にしてください。

シティホテルの特徴

シティホテルは、都市部に位置する総合的なサービスを提供するホテルです。客室だけでなく、レストラン、バー、宴会場、結婚式場など、多彩な施設を備えているのが特徴です

目安として1泊あたり15,000円~30,000円程度の料金設定で、ビジネスから観光、記念日の利用まで幅広いニーズに対応しています。コンシェルジュサービスやルームサービスなど、きめ細やかなサービスも魅力の一つです。

最近ではおしゃれで快適な中価格帯ホテル、として高級ホテル並みの設備を手頃な価格で提供する新しいタイプも登場しています。これらは特に若い世代から支持を集めています。

ビジネスホテルの特徴

ビジネスホテルは、出張などのビジネス利用を主な目的としたホテルです。必要最小限の設備に絞ることで、リーズナブルな料金を実現しているのが最大の特徴です

料金は立地や時期によって幅がありますが、全国平均では1泊10,000円〜15,000円程度、東京など大都市では15,000円を超えることも一般的です。客室はコンパクトですが、Wi-Fi環境やデスクなど、ビジネスに必要な設備は整っています。参考

チェーンホテルが多く、全国どこでも同じクオリティのサービスを受けられる安心感があります。最近では朝食に力を入れるホテルも増え、地域の特産品を使ったメニューを提供するところも出てきました。

リゾートホテルの特徴

リゾートホテルは、観光地や保養地に立地し、滞在そのものを楽しむことを目的としたホテルです。プールやスパ、アクティビティ施設など、ホテル内だけで一日中楽しめる充実した設備が魅力です

海辺や山間部、温泉地など、自然豊かな環境に建てられることが多く、都会の喧騒から離れてリラックスできます。料金は立地や設備によって幅広く、1泊20,000円~100,000円以上まで様々です。

家族連れやカップル、友人同士での利用が多く、記念日や特別な日の宿泊先として選ばれることも。オールインクルーシブプランを提供するホテルも増えており、食事やアクティビティがすべて含まれた滞在を楽しめます。

ラグジュアリーホテルの特徴

ラグジュアリーホテルは、最高級のサービスと設備を提供するホテルです。一流のホスピタリティと洗練された空間で、特別な体験を提供することを目的としています

外資系ホテルブランドが多く、世界共通の高いサービス基準を持っています。料金は1泊50,000円以上が目安で、スイートルームになると数十万円に達することもあります。

パーソナルバトラーサービスや、ミシュランスターを獲得したレストラン、最新の設備を備えたスパなど、すべてにおいて最高品質を追求しています。2024年は外資系ラグジュアリーホテルの新規開業が相次ぎ、地方都市への進出も活発化しています。(観光庁 宿泊統計 / e-Stat 統計データベース / 財務省 委託調査成果物

新しいホテルの形態と最新トレンド

ホテル業界は常に進化を続けており、新しいコンセプトのホテルが次々と登場しています。デジタル技術の発展や、旅行者のニーズの多様化により、従来の枠組みにとらわれないホテルが増えています。

ここでは、注目を集めている新しいホテルの形態と、2024年から2025年にかけての最新トレンドを紹介します。

ブティックホテル・ライフスタイルホテル

ブティックホテルは、独自のコンセプトやデザインを持つ小規模なホテルです。画一的なチェーンホテルとは異なり、その土地の文化や歴史を反映した個性的な空間づくりが特徴です

ライフスタイルホテルは、特定のライフスタイルや価値観を持つ人々をターゲットにしたホテルです。アートやファッション、音楽など、特定のテーマに特化した空間やサービスを提供しています。

これらのホテルは、ミレニアル世代やZ世代から特に支持を集めています。SNS映えする内装や、地域のクリエイターとコラボレーションしたイベントなど、宿泊以外の価値も提供しているのが特徴です。

カプセルホテル・ホステルの進化

従来は簡易的な宿泊施設だったカプセルホテルやホステルも、大きく進化しています。デザイン性の高い内装や、プライバシーに配慮した設計により、快適性が格段に向上しました

最新のカプセルホテルでは、個室感覚で利用できる広めのカプセルや、女性専用フロアの設置など、利用者のニーズに応えた工夫がされています。料金は1泊3,000円から6,000円程度と、依然としてリーズナブルです。

ホステルも共用スペースを充実させ、旅行者同士の交流を促進する仕組みを取り入れています。コワーキングスペースを併設するなど、長期滞在やワーケーションにも対応できる施設が増えています。

デジタル技術を活用したスマートホテル

IoTやAI技術を活用したスマートホテルが急速に増えています。非接触チェックインやスマートキー、音声アシスタントによる客室コントロールなど、テクノロジーを駆使した新しい宿泊体験を提供しています

顔認証でのチェックインや、スマートフォンアプリでの客室の照明・空調コントロール、AIチャットボットによる24時間対応のコンシェルジュサービスなどが代表的な例です。これらの技術により、人手不足の解消と顧客満足度の向上を同時に実現しています。

2025年に向けて、さらに高度なパーソナライゼーションサービスの導入が予想されています。過去の宿泊履歴をもとに、好みの室温や枕の硬さなどを自動設定するようなサービスも登場するでしょう。

サステナブル・エシカルホテル

環境への配慮や社会的責任を重視するサステナブルホテルが注目を集めています。再生可能エネルギーの使用、プラスチックフリー、地産地消の推進など、さまざまな取り組みを行っています

客室アメニティの削減やリユース可能な製品の使用、食品ロスの削減プログラムなど、環境負荷を減らす工夫が随所に見られます。また、地域社会との連携や、従業員の働き方改革にも積極的に取り組んでいます。

環境意識の高い旅行者が増えており、サステナブルな取り組みをしているホテルを選ぶ傾向が強まっています。ホテル側も、グリーン認証の取得や、取り組み内容の可視化に力を入れています。

目的別ホテル選びのポイント

ホテル選びで大切なのは、自分の目的に合ったホテルを選ぶことです。ビジネス利用、観光、家族旅行など、それぞれの目的によって重視すべきポイントが異なります。

ここでは、主な利用目的別に、ホテル選びのポイントと適したホテルタイプを紹介します。自分の旅の目的を明確にして、最適なホテルを選びましょう。

ビジネス利用の場合

ビジネス利用では、立地と機能性が最も重要です。駅から近く、Wi-Fi環境が整っており、早朝のチェックアウトにも対応できるホテルが理想的です

ビジネスホテルやシティホテルが適しています。価格重視ならビジネスホテル、接待や商談での利用ならシティホテルがおすすめです。最近では、コワーキングスペースを備えたホテルも増えており、ホテル内で仕事を完結できる環境が整っています。

ホテルタイプ価格帯(1泊)おすすめポイント
ビジネスホテル10,000〜15,000円(大都市は15,000円超も)コスパ重視、駅近立地
シティホテル15,000〜30,000円会議室完備、接待にも対応

観光・レジャー利用の場合

観光やレジャーでは、立地と設備の充実度がポイントです。観光地へのアクセスがよく、荷物を預けられるサービスがあると便利です

シティホテルやリゾートホテル、ブティックホテルなどがおすすめです。観光地の中心部に泊まりたいならシティホテル、ホテルでゆっくり過ごしたいならリゾートホテルを選びましょう。最近では、観光案内デスクを設置したり、地域の体験プログラムを提供したりするホテルも増えています。

家族旅行の場合

家族旅行では、子供への配慮と安全性が重要です。ファミリールームや子供向けアメニティ、キッズスペースなどがあるホテルが人気です

リゾートホテルや大型のシティホテルが適しています。プールや遊具などの設備が充実していると、子供も楽しめます。食事面では、ビュッフェ形式のレストランがあると、好き嫌いの多い子供にも対応しやすいでしょう。

ベビーベッドの貸し出しや、離乳食の提供など、赤ちゃん連れに配慮したサービスを提供するホテルも増えています。事前に確認しておくと安心です。

一人旅・長期滞在の場合

一人旅や長期滞在では、コスパと快適性のバランスが大切です。セキュリティがしっかりしており、洗濯設備や簡易キッチンがあると便利です

ビジネスホテルやカプセルホテル、ホステルなどが適しています。長期滞在なら、レジデンスホテルやウィークリーマンションタイプの宿泊施設も検討してみましょう。最近では、一人旅専用のプランを用意するホテルも増えており、一人でも気兼ねなく過ごせる工夫がされています。

2024-2025年のホテル業界トレンド

ホテル業界は今、大きな変革期を迎えています。新型コロナウイルスの影響から回復し、インバウンド需要が急速に拡大する中、新たなトレンドが次々と生まれています。

2024年から2025年にかけて注目すべきトレンドを紹介します。これらの動向は、今後のホテル選びにも影響を与えることでしょう。

外資系ホテルの地方進出

2024年は外資系ホテルの新規開業ラッシュとなっており、その多くが地方都市への進出です。業界調査によると、2024年の新規開業ホテルのうち外資系ブランドの比率は全体の半数前後を占めるとされ、京都・大阪・福岡などが主な進出先となっています参考

これまで東京に集中していた外資系ラグジュアリーホテルが、日本の地方都市の魅力に注目し始めています。地域の文化や伝統を活かしたユニークなホテルが次々とオープンし、新たな観光需要を生み出しています。

地方への外資系ホテル進出により、地域経済の活性化や雇用創出にもつながっています。また、国際基準のサービスが地方でも受けられるようになり、旅行者にとっても選択肢が広がっています。

ブレジャー需要への対応

ビジネスとレジャーを組み合わせた「ブレジャー」という新しい旅のスタイルが定着しつつあります。出張の前後に観光を楽しむ人が増え、ホテル側もこのニーズに対応したサービスを充実させています

ビジネスホテルでも観光情報の提供を強化したり、レイトチェックアウトサービスを拡充したりしています。また、ワーケーションプランを提供するリゾートホテルも増え、仕事と休暇の境界が曖昧になってきています。

企業側も従業員のワークライフバランスを重視し、ブレジャーを推奨する動きが出ています。この流れは今後も続くと予想され、ホテル業界もさらなる対応が求められるでしょう。

ウェルネスツーリズムの拡大

健康や癒しを目的とした「ウェルネスツーリズム」が急成長しています。温泉、ヨガ、瞑想、デトックスなど、心身の健康増進を目的とした滞在プログラムを提供するホテルが増加しています

単なるスパ施設の提供にとどまらず、専門家による健康指導や、オーガニック食材を使った食事プログラムなど、総合的なウェルネス体験を提供しています。長期滞在を前提としたプランも多く、新しいホテルの収益モデルとしても注目されています。

日本の温泉文化や精進料理、森林浴など、独自のウェルネス資源を活用したプログラムも開発されており、インバウンド客からも高い関心を集めています。

インバウンド対応の進化

訪日外国人観光客の急増に伴い、ホテルのインバウンド対応も進化しています。多言語対応はもちろん、文化や宗教に配慮したサービス、決済方法の多様化など、きめ細かな対応が求められています

ハラル対応の食事提供や、礼拝スペースの設置、中国系決済アプリへの対応など、具体的な施策が進んでいます。また、日本文化体験プログラムの提供により、単なる宿泊を超えた価値を提供するホテルも増えています。

AIを活用した多言語対応チャットボットの導入や、ARを使った館内案内など、テクノロジーを活用したインバウンド対応も進んでいます。今後の国際イベント開催に備えて、さらなる対応強化が期待されています。

まとめ

ホテルの種類は多様化し、それぞれに独自の特徴とメリットがあります。シティホテル、ビジネスホテル、リゾートホテル、ラグジュアリーホテルといった従来の分類に加え、ブティックホテルやスマートホテルなど新しい形態も登場しています。

目的に応じた適切なホテル選びが、快適な滞在の鍵となります。ビジネス利用なら機能性と立地を、観光なら設備の充実度を、家族旅行なら子供への配慮を重視しましょう。

2024年から2025年にかけては、外資系ホテルの地方進出、ブレジャー需要への対応、ウェルネスツーリズムの拡大など、新たなトレンドが業界を変革しています。デジタル技術の活用やサステナブルな取り組みも、今後のホテル選びの重要なポイントになるでしょう。